2011年1月29日土曜日

IKEA の闇

スウェーデンの公営放送SVTの報道番組、uppdrag granskning。忙しい時でもチェックするものの、先の水曜日のIKEAに関する放送は少し遅れての視聴。

IKEAと言えばスウェーデン、青と黄色のナショナルカラー、スウェーデン風のデザイン、世界各地でも提供されるスウェーデン料理etc 。結局の所、IKEAはスウェーデンの企業なのか、とそういう話が一つ。

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看板商品の一つBilly の取扱説明書

1. 法人、企業グループとしてのIKEA
IKEAの名目上の本社はオランダにあり。本店ないし旗艦店は、相変わらずスウェーデンと言って言えなくもない。創業者、Ingvar Kamprad は、「スウェーデンにルーツを持つ」と強調するだけ。実際の利害関係はルクセンブルクなどを経由し、リヒテンシュタインのとある法人が所有。その法人の実態は闇。ともかく、スウェーデンには経営上の本社機能は登記上なく、スウェーデン企業ともはや呼ぶに値しない。これが報道のポイントの一つ。それと、対外的な法人組織の説明とその実態の乖離。これがもう一つのポイント。

スウェーデンは政府を挙げてIKEAを支援しているものの、創業者がスウェーデン人であるというだけで、血税を使ってその営業活動を海外において支援するのはいかがなものか、というのが疑問の一つ。

2. 節税対策
リヒテンシュタインは、税金が安い!というだけではなくて、税金対策を行うマネージメントに優れている。日本やスウェーデンにおいてはおそらく無効とされるであろう契約条項も認められており、こと企業(ないし企業秘密)に対する法律上の保護が手厚い。税金が安い国に資金を集約することで莫大な額の課税を逃れることが出来る。これがポイントの一つ。

企業が課税を回避する手段の一つとして、「経費」として様々な支出を計上するが、IKEAの方法はえげつないのではないか、というのもポイントの一つ。赤字企業や施設を購入することにより、収益を圧縮している。ビジネスをやめた電器屋、うちの近所のオイルヤードetc。このあたりは拡大戦略との関連もあり。まぁやり方は、某国土みたいにえぐいよね、という話。

ファミリー企業間におけるマーチャンダイズ(あるいはIKEAブランド費用)の支払いもこうした「経費」名目での収益のバイパス。ただ、製造段階で既にコストに含めるハズであって、あえてこうした経費を資本関係のあるファミリー企業間で計上するのは、問題が発生する余地があり。記憶が少しあいまいなものの日本でも数年前に自動車orバイク関連で、実質的な利益の移転として課税対象となったケースがあったはず。大丈夫か?

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確かにIKEAの取説やのぼりには、問題とされる海外法人の名前が。

3. 企業風土
IKEAは同業他社より素晴らしい!をがっちり仕込む教育。忠誠心が何よりモノをを言う、と。これは、ぼ~っと見ていれば明らかであって、宗教がかってようが、何であろうが、特に何か言う程のことでもない。問題は、その素晴らしい会社、愛するべき会社の実態について一握りの人間以外知らされておらず、またこうした名目利益の圧縮が給与の上昇を抑える役割を結局は果たしているのではないか、という疑問。経費削減と合理化を従業員に要求する一方で、その利益は結局よく分からないところに流れ着いている、その二重人格性は全然素晴らしくないでしょ、という話。

それともう一つはマスコミ(ないし部外者)に対して徹底してネガティブな情報は与えない、というスタンス。まぁこれは株式を公開企業じゃないから、公開企業のそれと同レベルじゃなくてもおかしくはない。問題は、「質問に対しては全てお答えします」と言いながら、数ヶ月全く返答ないとか、「文章で全て答える」と言ってインタビューを拒否する点。挙げ句の果てには記者に対して「こいつは頭がおかしい」と。コンシューマ向けの企業のあり方として、このレベルの一方的なPRで果たしてやっていけるのか?という疑問。

ともすると、結局IKEAとはなんぞや、というところで今回の話はおしまい。来週にもう一つ、放送予定。IKEAと言えば、スウェーデン。その自明性に疑問を投げかける程度には、内容があったのではないかと。

2011年1月23日日曜日

新年

お疲れ気味が続いているものの、充実。とは言っても、年が明けてから随分と経ってしまいました。まぁ学校やら何やら・・・。

GP20110101

新年の様子、とは言っても花火だけだけど、ちょこっとビデオを見かけたのでリンクを付けておくことに。→GP

飼っている猫がかなりパニクっていた以外、まぁ普通の花火でありました。風が非常に強く、近所で打ち上げていた花火は一つ真横に飛んでおりました。まぁ買ったからには使わないとっていうところか・・・。