2011年8月19日金曜日

乗車券とペナルティと

犬も当たれば棒に当たる、とはいうものの、毎月に近いくらい引っかかるのがローカル交通を担うVästtrafikのチケットチェック。有効な乗車券を所持していない場合、1200kr(14000円ほど)請求される羽目になります。チェックする係員が客に対する態度じゃないのはさておき、いくつか気になることを。

最近あった論点は未成年者にペナルティを請求できるか、という点であります。公共交通に乗る場合、乗車した時点で約款の定める契約(Standardavtal)に合意したものとされますが、未成年、ことに15歳未満の場合には故に契約の当事者能力には限界があるので、そもそもこうしたペナルティを請求を行う根拠たる契約が存在することは非常に疑わしいということになります。

第2の論点として、今日ちらっと読んでなるほど、と思ったのは、チケットを忘れた場合であります。特に先日SJが11歳の子供を列車から無人駅に放り投げた挙げ句、行方不明になった件とも若干重なるのが、有効な乗車券を購入しつつ10m先であれ10km先であれ、手元にない状態であります。地元の大学生が、乗車券を財布もろとも置き忘れてきたケースで本人が争っており、晴れて地裁の俎の上に乗ります。ここまで来たからには、和解せず頑張れ状態です。

個人的には、家に忘れた場合も意図的に払わない場合も関係なく、十把一絡げにペナルティを取ること自体、本来の趣旨から外れている印象を持たざるを得ません。いつも前払いしているからこそ、忘れても気づかないのであって、少なくとも運行する事業者の懐を痛めるという話ではありません。まぁゲシュタポ的なチケットのコントロールはさておき、この学生が主張しているのがLag (1977:67) om tilläggsavgift i kollektiv persontrafikの第2条。日本語的に言うと公共交通機関における追徴料金に関する法律、とでもいうのか。

2 § Tilläggsavgift får ej tagas ut om avsaknaden av giltig biljett får anses vara ursäktlig med hänsyn till den resandes ålder, sjukdom, bristande kännedom om lokala förhållanden eller annan omständighet. (有効な乗車券がないことが利用者の年齢や病状、土地勘の欠如、或いはその他の状況によると認められるときには、追徴料金を徴収することは出来ない。)

特に”その他の状況”は、非常に考えるところであります。狭く解するのか広く解するかによって帰結は異なるものの、乗車券があくまで購入したことの証明であるかぎり、乗車券を購入したという事実には変わりなく、事後的に救済を受けるに足りる理由ともなり得そうです。仮に非常に狭く解したとしても、子供を列車から放り投げる根拠として、同法5§を使うにしても、そもそもの前提となる追徴料金の主体となり得ないという話になります。

ともあれ、お金を払ってかつ乗車券を見せれる人だけが乗れる、という原則を貫けば貫くほど、公共交通としてこれでいいのか、と疑問が出てくるのも事実。踏切に遮断機をつけたり、信号でも普通の交通よりも優先されるだけの公共性があるはずで、それに見合うだけのやり方をしないのは考え物です。払った分だけ乗るタクシーのように私的な交通に近づけば近づくほど、その地位も公共的なものから離れていくと言わざるを得ません。

2011年8月14日日曜日

土砂降り

久々にバケツをひっくり返したような雨が数時間続き、家の前も川というか小さな湖に。排水がよくないというよりも、すぐそばの丘や運動場に降り注いだ水がちょうど集まるところなのであります。

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街の中で浸水した場所もあるみたいだけど、とりあえずここはこれ以上たまらずに下に流れていくので、大丈夫。それにしても夏を感じさせる雨でした。

2011年8月13日土曜日

マイルが参る

数年越しでコツコツ貯めてきたユナイテッド航空のマイレージ。6月に日本に行ったときに使った中国国際航空のやつが10000マイルちょいと思いの外ついて、晴れて得点交換圏に。



一応ヨーロッパ内は飛べるようになったので、ちょっと出かけたいものの来週には学校が始まり、とりあえず空想だけにとどめておくことに。

2011年7月30日土曜日

さらばOnOff - その2

本日は久々にカレーを作りました。ルーから作るカレーはお財布にもやさしく、また味の調整や原材料の選択もできるのでわりといいです。ルーを作るのは今回で2度目、ずいぶん作るのにもこなれてきました。ともあれ先日倒産したOnOffが残ってるものをさらに安く70%オフ、という感じで倒産セールをやっていたので行ってきました。

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ちょっぴり期待をしていたケーブルテレビ、ComHemの映像機器は、定価の底上げをしていてそれほど安くもなく、まぁネットショップ系と変わらないお値段。まぁ初期不良交換とかはほぼ期待できないので、それだったらまだネット経由の方がまし。

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いくつか買おうと思っていてなかなか手が出せなかったものの一つがカメラケース。この手の商材は「広告の品、○%Off ! 」みたいな話にならないので、どこで買っても物のわりにそこそこ値が張って、どうしようかと悩んでいたところ。100円均一で買ったやつは、ほんとにやわで、スウェーデンに持って帰ってくる時も冷や冷やものでした。

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ケース自体は、セミハードケースとソフトケースの中間、こんな感じでごそっとカメラが入ります。底部とカメラのボディのあたる周囲にはプラスチックが入っていて、それ以外はちょっと堅めのカメラバックという感じ。120kr(約1400円)、予備の電池や充電器がぴったり入るマチがあって、いい感じデス。

あとは単3の充電池と画面クリーナー、カメラのレンズ用のエアブラシ、それとxbox360のハードディスク用のケーブル。物によっては「う~ん」と悩むところだったけど、それでも一応安いことは安いので、必要なものに関してはピックアップできたという感じ。久々に満足のいくお買い物だったカモ。

2011年7月22日金曜日

部屋の整理と机の話

とりあえず部屋の掃除を数日かけてしました。物の量が多いの一言に尽きます。特に紙関係をどう処分していくか、ちょっと悩むところ。

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床に転がっていたレーザープリンタの使用頻度が結構多いというか、最近はメインになっているのに、使うときにゴソゴソ動かしていたので、台を新調。IKEAで色々見ていたら、机が150kr(約1900円)と非常に安かったので、こいつにしました。

基本的には合板というかチップ材に化粧板というか木目調のシールというレベルの代物だけど、上で物を書いたり作業をしたりするわけではないのでこれで充分という気も。ネジから何までかなり安く仕上げてあります。イスも現在バランスチェアと猫がよく座るオフィスチェアと2つあるので、入れるのにもピッタリ。置き場所に困っていたHDD類もここにひとまとめにしてあるので、今までよりもメインの机がすっきりで、いい感じ。

2011年7月16日土曜日

HDDの換装

メインで使っているVaio TZ-50のHDDがクラッシュ。起動こそ可能なものの、フリーズも多くなり、特にデータの書き込みに難あり。再インストールしてごまかすのにも限界を感じ、懸案だったHDDの換装。

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普通の2.5”が入ってるノートと違って、TZは1.8"(zif)でしかも結構取り出しずらいところに入っております。とりあえず「VAIO typeT(TZシリーズ)を綺麗に分解して高速SSD化する」を参考にさせてもらいつつ、HDDを交換しました。

SSDにするという手もあったものの、とりあえずスペアパーツとして保管してあった同モデルの80GBに。SSDをeBayあたりでみると、容量のわりにはそこそこいいお値段だし、実際に相性がいいかは賭の部分もあります。個人的にはSamsung製の5400回転、120GBあたりが魅力的。現在の4200回転から考えても、低リスクでちょっぴり高速化が可能と思われます。

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あまり何度もあけたくはないので、次回の課題を考えると、無線LAN(Wifi)カード、IEEE 802.11n対応のものに交換も考え中。コスト的にはカード単体は安いものの、部屋のネットワーク全体との絡みもあるので、交換時期を検討中であります。

さよならONOFF

スウェーデンの家電量販店は結構お寒い状態が続いております。比較的大手に入る部類のONOFFが先日倒産、店舗間の競争だけが原因ではなくて、ネットによるマーケットの変化あり、価格下落の圧力あり、付加価値(延長保証やクレジット)による収益モデルの変遷についていってなかったのありと、色々と考えるところがあります。特にONOFFはどちらかというと商品を絞り込んでいる上に、サービス込みのプレミアが売りとなるのにも関わらず、それほど店舗のグレードを上げるでもなく。

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そんなわけで倒産セール、店舗により25-30%オフ。自分はかなり傷んだマウスを買い換えることに。相方は普段値段がどこもあまり変わらないソフトとかを買い、わりといつも安い電池を買い、と久々のお買い物。実際、元の値段はそこそこなので、品物によってはそれでもそんなに安くなかったりするので、この手の買い物の時には普段の相場観がものをいいます。

2011年6月26日日曜日

カメラ

日本への旅行で買おうと思っていたのが、デジカメ。いろいろ考えていたものの、ありがたいお話を2つほどいただいたおかげで、デジカメ2台に。1台はきっちり撮る用、1台はどこでも持って行ける用、といいところ取り。何台も買える状況ではないのでとにかく合掌であります。

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小さい方のカメラは音も静かで気づかないニャン

FinePix XP30

期待していたGPS機能は、予想通り計測に結構時間がかかって、気の短い自分には向いていなさそう。これは、後で打ち込んでもいいので、車とかなんだとか使って旅行する時以外は解除することに。あえていえば、GPSの地図がついていなくて、ダウンロードとかあとで追加コンテンツ入れられるようにしてくれるといいのに、と思ったり。

何よりいいのは耐衝撃、防水。購入3日目にして、飲み会中にビールを浴びるも、軽く水洗いで汚れを落として即復帰。落下では痛い前科があるので、やはり心強いものがあります。

写真自体は可もなく不可もなし、良くも悪くも富士フイルム。あえていえば、オート撮影の機能が今まで持っていたF402やF100fx、J25と比べても少し強引で、シーンを選ぶとそれ以上、フラッシュでさえいじれなくなるのはちょっと不便だし、マニュアルの操作性がちょっと悪くなったのは残念。それでもこのコンパクトさで色々くっついていて、総じて満足であります。

Nikon L100

予定外に頂いた1台で、総じて綺麗に撮れます。が、やはりでかい。単3電池4本然り、旅行に本当に持って行けるのか不安です。ピント合わせとかレスポンスがいいのはかなり高評価。手ぶれも、しっかりホールドできる分、補正以前にかなりいい感じです。画素数は2世代以上前なので少なめだけど、ポスターとか印刷するわけじゃないのでこれで充分。セミハードケースはおそらく買わないと・・・。

[作成:2011.07.19]

2011年6月10日金曜日

日本へ

6月日本に戻ったものの、ここは放置気味でありました。Windowsも調子が悪く、パソコンも調子が悪く、忙しく、と言い訳に事欠かないものの、とりあえず気が向いたところから書いていくことに。

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およそ15年ぶりのAir China、北京経由での旅。特に空港の印象が悪く、当分は北京経由は避けようと思ったり。

理由1) 無駄に広い。広いなりにうまく使えばそんなに不便ではないはずなのに、搭乗口の割り当てやらなにやら、かなり歩く羽目に。しかも案内板は時として意味不明。動く歩道やミニトレインといったターミナル間の移動があまり機能的・論理的ではない。広くても使いやすい空港は山ほどある。


理由2) ショップやレストランが極端に少ない。結局のところ同じ系列が同じようなショップを出していて、選べるアイテム数が少ない。往復で2回行っただけで全てのレストランを制覇出来るようでは先がないって感じ。期待していた中華料理もまともなところはなく・・・。

 

理由3) 空港職員のレベルが低い。まぁこれは結構書いている人がいるんだろうけど、愛想以前に英語が通じない場合がある。掃除のおじちゃんが使えないのは別にいいとして、セキュリティチェックの係員がまったくダメなのには参りました。かといって英語のできる職員を呼ぶわけでもなく。とにかくしゃべれないならボードを作って説明するなり何なりすればいいのに、通じないのにやりたいようにやろうとして反感を買うだけ。

特に今回はトランジットで7時間あったので、空港でやることがないのには参りました。おかげで持っていた本を思ったより読み進めて良かったり。値段的に同じレベルなら次はタイやマレーシア、韓国経由にしようと心に決めたり。

[作成:2011.07.19]

2011年5月23日月曜日

虫歯

朝早くに起きて猫の抜歯のために獣医さんのところへ。麻酔やら何やらやるので、5時間後に回収。

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昨日の夜から何も食べてなかったからかとりあえずエサにがっつくので一安心。ただ動きは非常にトロめであります。

2011年5月17日火曜日

遠足

何かを書く余裕が無い日々が続いていたものの、久々にちょっと余裕回復。16日にクラスの遠足でStora Amundö に。

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天気は雨こそ降らなかったものの、風が強くかなりシビアでありました。

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島の入り口の管理棟には小鳥が住み着いていて、せっせと巣作り。

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暴れ馬なのか人なつっこいのかよく分からないけどとりあえず駆け寄ってきて、えっへんとポーズを決めて去って行きました。要するに放し飼いであります。やはり今のカメラは動く被写体にピントを合わせるのは、フォーカスが遅すぎて不可能。新しいカメラを考えてしまう1枚。馬はともかくほとんど動かない人間も結構厳しいです。

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森の中は既に春、暗さ的にはまだ夏では無いという状態。そのまんまです、はい。

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海のそばでもきちんと咲くのは結構すごいというかなんというか。あんまり深く考えたことが無かったけど、完全な外海ではないので塩分が薄いのかもしれません。

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自分にはあまりなじみのない綿草。

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ふきっさらしの中、冷たくなった昼食を食べる気もおこらず、早々と引き返してきました。まぁやっぱりこの手の所は暖かい日じゃないと。

2011年5月3日火曜日

三寒四温

5月です。春です。雪です。と絶句した1日。夏のように暖かい日々が終了。

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2011年4月22日金曜日

Påsk

Påsk、イースター、復活祭、日本で意識することはあんまりないんだけど、一応こっちでは毎年ちょこっとお休みになるので、ありがたい休みの一つ。休む口実は必要であります。自分的には卵をたくさん食べる以外何の意味があるのか今ひとつ分かっていなかったり。統計的に見て日常への宗教への依存度がとことん低いスウェーデンでは、教会にでも行かない限りバレンタインデーとさほど変わりのない宣伝用の口実だったりします。

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休暇に入った直後に相方の実家に顔を出しました。家に猫がいるので1泊2日の少しハードめのスケジュール。この白い花は、木の葉が生い茂る前の春の一瞬だけ花を咲かせます。要は森の中に生えてるけど日光が必要という話。

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この青い花を咲かせる植物は生命力がかなり強いらしく、2-3株を数年前に植えたところあっという間に広がったらしいのであります。当然隣の家にも浸食しているものの、文明の機器とも言うべき芝刈り機の前にはどうすることも出来ず、毎年刈り取られる運命にあるとのこと。

非常に天気が良く、夏を思わせる風。スウェーデンに来て以来必ずと言っていいほど毎年雪があったので、少し驚きでありました。

[5/16作成]

2011年4月4日月曜日

統一地方選挙と自治

そういえば春の選挙のお知らせが大使館から届かず、う~んと考えていたら、地方選挙に関しては投票が出来ないとのこと。考えてみれば自治体に関しては住民が投票の主体になるのは当然と言えば当然。ただ、外国籍の住民に対して投票権を認めないのは、その意味ではおかしい。というのも仮に自治体の選挙もことさらに日本人であることを強制するならば、海外での投票も認められて然るべきであるし、住民であることと自治との関係を強調するならば、外国籍を持つ人が自治の主体たる住民失格という論理は差別以外の何ものでもない。義務はあれども権利無し、責任あれども自由無しetc...

ともあれ、先日オーストラリア人の友人と話をしたときにやはり二重国籍の話に。彼の相方はウズベキスタン人で、二重国籍を認めないウズベクの法律のせいでオーストラリア国籍を取りかねているとのこと。国籍の選択という強制がいかに人の自由や選択を奪っているか、改めて考えさせられます。帰化を含めた国籍の「選択」は、母国でのビザ取得の必要が出てくることや労働する余地が少なくなるなど、様々な不利益を伴います。不利益を矮小化してことさらに国民を強調するなら、人が国家の所有物か、主権は国家にあるのか、という民主主義以前の議論を行わなければなりません。民主的に決められた法律だから民主主義だ、とすればどこかのエリート主義に裏打ちされた独裁国家の例を出すには困らないほど、かなり適当な正当化であります。一つの国に帰属することを強制することは市民的自由を尊重する気がないことの裏返しでもあります。

自治、自分(達)のことは自分で考え決定し実行する。けれども日本においても「我々」と「彼ら」の間に線引きを行う段階から既に他者の排除が始まっています。一般論において個別具体的な事案を説明することは、結構困難で不合理なことも多々あります。ことさらに日本の独自の文化を強調する輩もいますが、そもそも文化が永続的なもの(であるべき)でありかつ民族内部でしか共有出来ないものという、およそ現実離れしたアイディアを尊重しろというのは、自分には無理です。文化であるが故に批判を受けるべきではないという考えも、批判なしに文化が発展するという楽観的なものであり、文化自体が誤っていることを考慮に入れないものであります。ともあれ自治、みんなで渡れば怖くない、というのとは別の話。

2011年3月24日木曜日

楽観主義の果て

原発事故に関して海外メディアに対する批判が日本の報道で見られるのは、未だに日本のメディア事情、情報に対する受け止める市民の能力が20世紀初頭以来あまり成長していないのでは、と考えさせられる一件であります。震災後を通じて、特に専門的な用語を並べ立てて煙に巻こうとする輩の思惑通り、そしてよく分からない事象を一字一句覚えようとするあまり、ものの本質から随分離れた議論がなされている気がします。

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原子炉や廃棄物のコントロールはおろか、何が生じているのか正確に把握出来ていない状態にも関わらず、「現時点では問題は無い」という説明を繰り返し、挙げ句の果てに数度の爆発と放射能漏れ。必要な情報が根拠のない安心感を与えるものか、それとも合理的な選択を行うための事実ないし可能性を示すものかを問うとすれば、おのずと必要な情報は見えてくるはずであります。にもかかわらず、「パニックを防ぐ」という理由で、可能性に過ぎない情報を排除するならば、状況を把握出来てない現状では、ほとんど事後的な情報しか与えられないことになります。

パニックを防ぐ、という理由は、あるある大辞典の納豆ダイエット騒動のように、あるいは水の買いだめのように、比較的現実的な理由とはなりそうです。仮に問題が情報に対して過剰な反応を起こす市民にあるとしても、情報が限定的にしか与えられていない不安感に起因するのか、それとも客観的に判断する能力が欠けているが故なのか、様々な要素が考えられます。それでも、こうしたパニックを避けるという言説は、情報の受け手の能力の否定であり、バカだから情報を与えないという傲慢な議論。そしてこうした言説自体、現実を直視することを避ける方向にしか働かない故、全てのネガティブ事象が想定外という根拠のない楽観主義に基づいた説明も問題なく受け入れる始末。そんな情報に対して信頼感をもてるというのは、人がいいというか何というか。

間違った記事を寄せ集めて、日本のメディアは素晴らしいと自画自賛する前にやるべきことは山ほどあります。例えば、地元紙GPでも1号機の建屋の天井が吹き飛んだ翌々日朝には平均的な気象状況に基づいたシミュレーションを解説するグラフィックを掲載、どの地域におよそ発生源付近の何%ほどが他の地域に拡散するか、直感的に分かるようになっています。水道、物流といった人的影響は考慮されていないものの、考えられるシナリオの提供の早さにはただ驚かされます。NHK(海外版)が専門家に原子力発電って何?メルトダウンって何?というおバカな質問をしている間に、こっちの一地方紙でさえどの程度深刻な可能性があるのかを書いています。悲観論、センセーショナルと切り捨てる前に、多角的な情報の重要性を認識するべきであります。メディアの役目がただ、役所や企業の発信する情報を垂れ流すだけならば、そういった情報の価値は非常に限定的なものです。ことに情報公開に消極的な風土の強い日本で、メディアの役割は本来もっと持って然るべきで、また求めるべきでもあります。(以下略)

2011年3月21日月曜日

バランスチェア

こっちにきた時にIKEAで購入したチェアが先日壊れました。溶接が明らかに不足していて欠陥品の一言。構造的に両側溶接するであろうところが、片側だけしかも少しだけ。そこがバッキリと折れたというか、外れたというのが近いかな。まぁ全部が全部チェック出来るわけではないんだろうけど、このあたりの品質に対するポリシーはあまりよろしくないという印象を受けました。IKEAのページを見ても消費者に対する責任をどのあたりまで取るかあんまり明確にしておらず、スウェーデンっぽくないというお話。長期保証の商品に関しては長々と説明があるんだけど・・・。

ともかく、製造物責任云々の話をするのは面倒くさいよねという話で相方の実家で溶接をしてもらうことに。溶接ならまぁ10分で終わるだろうから。代わりに相方の実家に眠っていたバランスチェアを頂くことに。

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バランスチェア、背筋がピンと伸びる、という代物だけど、今ひとつリラックス出来ないので物置で眠らせる人が多いのも事実。今使っている机は自分の身体には若干大きく、イスの位置を高くすると机に足が挟まり、それでもパソコンのモニタを見上げる形になって、高さが足りないのという状態。今日試してみた時点ではとりあえず余裕でモニタより上に頭が来る位置に出来て、非常にいい感じであります。

2011年3月10日木曜日

ルイ・ヴィトンの恐怖

ブランド品の多くは知的財産権関連法において保護されていて、コピー商品やら模倣品やらが規制されるのは、それを考案した人が利益を収めるべきという観点から理解出来るところ。一方で、何もかもを権利として認めた場合に経済的にであれ、思想的にであれ保護に伴う弊害もあり、そうした知的財産をどの程度保護すべきであるか、という問題は常に考えるところであります。昨日のDNのルイ・ヴィトンに関するニュースは、そんなことを改めて考えさせられました。

事の発端は、ダルフール問題に関わっているデンマークのアーティスト、Nadia Plesnerが、パリス・ヒルトンをモチーフに、ルイ・ヴィトンっぽいバックを片手に子犬を抱えているダルフールの子供を描き、そのTシャツを販売した。なおその収益は現地へ送る医薬品を始めとする支援物資に充てられた。これに対してルイ・ヴィトンが販売中止と損害賠償を求め提訴、本人の不在時に訴訟が行われたため反論がないまま訴訟自体は終結。その額現時点で20万ユーロ(ざっと2000万円)也。さらに今では弁護士費用その他諸々1日5000ユーロ(50万円)払え、とそういう話であります。当時の自分の弁護士に「絵画にすれば問題ないんじゃん」と言われ早速作成、その後の混沌とした争いが続き現在に至ります。

ルイ・ヴィトンの言い分としては、会社としてダルフール問題を助長する活動を行っているわけではなく、こうした問題と関連づけられることで不利益を被っている、と。Nadia Plesner の作品がルイ・ヴィトンを直接的に批判している訳ではなく、そうした豪華絢爛なライフスタイルがある一方でダルフールの子供達には無縁のニーズであることを暗に示しているに過ぎません。ルイ・ヴィトンの論理は相当な被害妄想を含んでいて、大人のブランドを扱うにしてはちょっとアブナイ会社なのかもしれません。

営利活動と表現活動の区別は実のところさくっと割り切れる訳ではありません。ピカソがその生涯にいくら稼いだかを考えると、収益性がある=アートではない、と単純化することはできません。時に重要なメッセージを含んでおり、またアーティストが職業である限り金銭授受と無縁にはなり得ません。他方で、ブランドを利用することで莫大な収益を上げるとすれば、アートであろうとパロディであろうと、そりゃぁないんじゃないのか、という話になります。

ただ、そもそもブランドそのものを表現内容の一部として利用することが、同意ないし黙示の同意が無い限り扱うことが認められないとすれば、およそブランドに関して批判的な報道を行うことは不可能になります。商標を始めとする知的財産権にそこまでの保護を与えるべきかどうかで言えば、否としかいいようがありません。

現在もNadia Plesner のサイトの削除を要求しているものの、おかげで各地の新聞に無修正で転載されてます。彼女の作品が名誉毀損的な性格を実際に帯びるのであれば、まず影響力のある新聞に対してアクションを起こすべきであって、そんなことをせずにあくまで作者個人を狙ってせっせと圧力をかける姿勢は、某武富士の恫喝訴訟と重なります。結局の所、ルイ・ヴィトンが一連の行動で示しているのは、徹底的な不寛容であり、コミュニケーション不能な姿勢であります。それで一流を名乗るのはちょっとね。

他のブランドだって同じ、という指摘もありそうですが、それはまた別の話。このあたりの活動に理解を示すかどうかは企業により温度差があります。ま、機会があればそのへんも。ともあれ被害者面したルイ・ヴィトンが様々な方面に恐怖心を与えたのは間違いなく、かなり注意深く扱わなければいけない存在となりつつあるのかも。あ、もう書いてしまったけど大丈夫カナ、とおどけてみたり。

(本稿執筆後、ルイ・ヴィトンからのコメント付きの続報あり。油絵の制作・公開は問題ないと態度を変更したものの、Tシャツに関しては相変わらず。制作者が不誠実で話し合いに応じなかったというような話をしてるものの、問題は「話し合い」の中身であります。この記事からみると結局のところ、ルイヴィトンのコメントは個人攻撃に終始して問題を解決する意志はないようであります。)

2011年2月11日金曜日

猫と寝不足と

ここのところ寝不足気味。原因の一つは猫。まぁ泣きわめくという訳ではないので心配したりすることにはならないものの、真夜中・明け方と構って欲しい時には、みぞおちを確実に決めてきます。痛みで強制的にお目覚め。

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他に何かすることあるんじゃないかにゃ、と邪魔をしにきたり

飼い始めて早半年が過ぎたものの、次第に態度が飼い主に似て横柄になってきたような気が・・・。同じエサが数日続くと飽きたり、食感が微妙だとそもそも食べなかったり。先日、食べてる最中に突然吐いたところをみると、本人なりにまずいエサも頑張って食べているみたい。いや、ただ食い意地を張っているだけなのか・・・。

2011年2月8日火曜日

ん~

わりと東奔西走の日々。今シーズンは語学を重点的に。ドイツ語も日進月歩と言いたいところだけど、ボキャブラリをとにかく増やさねば。スウェーデン語は少しジャンルを変えて試行錯誤。化学・天文学・物理・数学etc。まぁ自分のジャンルじゃないので、かなり楽しんでいる状態。

自転車の修理・・・

時間の間をみてちょこまかとメンテナンス+修理。冬は乗ることがあまりないので、じっくりとみることが出来ます。それにしても専用工具が若干増えつつあり。まぁ自転車屋に頼む程度の値段で工具が買えてしまうので、後々のことを考えると工具にどうしても流れがち。

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先日ChanReactionCycles から10GBP(1200円ほど)のバウチャーというかギフト券が来たので、最近考えていたモノを購入することに。110GBP位買うとスウェーデンへの配送料が無料になるので、ちょこまかと必要なものを。基本は50%引き以上のセール品のみ。まぁ通常価格でも安いんだけど、あえてタイミングを計るということで。

サスペンション用の空気入れのヘッド(圧力計付き)。これはちょっと悩みどころだったけど、相方の自転車のメンテナンスでも使う可能性が高いので購入。約2000円也。唯一の例外で40%引き。まぁ工具は元々値段が下がらないのでよしとすることに。

自転車用のショートパンツ。壊れたりなんだりで現在一つしかないので、Addidas のものを2つ購入。XS しか残ってなくて75%引きと超特価(約1000円x2)。自分のサイズは、やはりセールの対象になりやすいのかも。これで毎日自転車を使ってもこぎれいな日々を送れるかと。

SPDペダルシューズ。ペダルが微妙に歪んでいるのと、いい加減軸がごりごりと痛んできているので購入。街の中心までもそこそこ距離があって、クリップも欲しかったところだし。どちらも50%オフで、計5500円。スウェーデンでの値段を考えると、実質70%オフ。

そんな感じで少しずつメンテナンスも進行中。雪がそこそこ溶けていて走れそうなので早めに直したいところ。

2011年1月29日土曜日

IKEA の闇

スウェーデンの公営放送SVTの報道番組、uppdrag granskning。忙しい時でもチェックするものの、先の水曜日のIKEAに関する放送は少し遅れての視聴。

IKEAと言えばスウェーデン、青と黄色のナショナルカラー、スウェーデン風のデザイン、世界各地でも提供されるスウェーデン料理etc 。結局の所、IKEAはスウェーデンの企業なのか、とそういう話が一つ。

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看板商品の一つBilly の取扱説明書

1. 法人、企業グループとしてのIKEA
IKEAの名目上の本社はオランダにあり。本店ないし旗艦店は、相変わらずスウェーデンと言って言えなくもない。創業者、Ingvar Kamprad は、「スウェーデンにルーツを持つ」と強調するだけ。実際の利害関係はルクセンブルクなどを経由し、リヒテンシュタインのとある法人が所有。その法人の実態は闇。ともかく、スウェーデンには経営上の本社機能は登記上なく、スウェーデン企業ともはや呼ぶに値しない。これが報道のポイントの一つ。それと、対外的な法人組織の説明とその実態の乖離。これがもう一つのポイント。

スウェーデンは政府を挙げてIKEAを支援しているものの、創業者がスウェーデン人であるというだけで、血税を使ってその営業活動を海外において支援するのはいかがなものか、というのが疑問の一つ。

2. 節税対策
リヒテンシュタインは、税金が安い!というだけではなくて、税金対策を行うマネージメントに優れている。日本やスウェーデンにおいてはおそらく無効とされるであろう契約条項も認められており、こと企業(ないし企業秘密)に対する法律上の保護が手厚い。税金が安い国に資金を集約することで莫大な額の課税を逃れることが出来る。これがポイントの一つ。

企業が課税を回避する手段の一つとして、「経費」として様々な支出を計上するが、IKEAの方法はえげつないのではないか、というのもポイントの一つ。赤字企業や施設を購入することにより、収益を圧縮している。ビジネスをやめた電器屋、うちの近所のオイルヤードetc。このあたりは拡大戦略との関連もあり。まぁやり方は、某国土みたいにえぐいよね、という話。

ファミリー企業間におけるマーチャンダイズ(あるいはIKEAブランド費用)の支払いもこうした「経費」名目での収益のバイパス。ただ、製造段階で既にコストに含めるハズであって、あえてこうした経費を資本関係のあるファミリー企業間で計上するのは、問題が発生する余地があり。記憶が少しあいまいなものの日本でも数年前に自動車orバイク関連で、実質的な利益の移転として課税対象となったケースがあったはず。大丈夫か?

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確かにIKEAの取説やのぼりには、問題とされる海外法人の名前が。

3. 企業風土
IKEAは同業他社より素晴らしい!をがっちり仕込む教育。忠誠心が何よりモノをを言う、と。これは、ぼ~っと見ていれば明らかであって、宗教がかってようが、何であろうが、特に何か言う程のことでもない。問題は、その素晴らしい会社、愛するべき会社の実態について一握りの人間以外知らされておらず、またこうした名目利益の圧縮が給与の上昇を抑える役割を結局は果たしているのではないか、という疑問。経費削減と合理化を従業員に要求する一方で、その利益は結局よく分からないところに流れ着いている、その二重人格性は全然素晴らしくないでしょ、という話。

それともう一つはマスコミ(ないし部外者)に対して徹底してネガティブな情報は与えない、というスタンス。まぁこれは株式を公開企業じゃないから、公開企業のそれと同レベルじゃなくてもおかしくはない。問題は、「質問に対しては全てお答えします」と言いながら、数ヶ月全く返答ないとか、「文章で全て答える」と言ってインタビューを拒否する点。挙げ句の果てには記者に対して「こいつは頭がおかしい」と。コンシューマ向けの企業のあり方として、このレベルの一方的なPRで果たしてやっていけるのか?という疑問。

ともすると、結局IKEAとはなんぞや、というところで今回の話はおしまい。来週にもう一つ、放送予定。IKEAと言えば、スウェーデン。その自明性に疑問を投げかける程度には、内容があったのではないかと。

2011年1月23日日曜日

新年

お疲れ気味が続いているものの、充実。とは言っても、年が明けてから随分と経ってしまいました。まぁ学校やら何やら・・・。

GP20110101

新年の様子、とは言っても花火だけだけど、ちょこっとビデオを見かけたのでリンクを付けておくことに。→GP

飼っている猫がかなりパニクっていた以外、まぁ普通の花火でありました。風が非常に強く、近所で打ち上げていた花火は一つ真横に飛んでおりました。まぁ買ったからには使わないとっていうところか・・・。