2009年5月11日月曜日

名前とアイデンティティ

手料理をこよなく愛する自分ですが、ジャンクフードも時々いたたまれなくなるくらい無性に食べたくなるときがあります。バーガーキングやマクドナルドはそうしたジャンクフードの典型であります。クレジットカードで支払いをする時、署名はパスポートに合わせて漢字のままなので、「何~、なんだこりゃ」みたいに言うレジの人もいれば、「見て見て~」と他のスタッフに見せびらかす人もいます。そのあたりスウェーデン的な素朴さがあって、ほっとさせられる時があります。先日のドイツでも・・・以下略。ともかく、コミュニケーションのきっかけになるので、日本語でのサインが将来法律で禁止でもされない限り絶対やめません、という話。

スウェーデンにおいても日本においても、使用する言語は事実上の公用語であって、法律上定められた言語ではありません。しかしだからといってヘブライ語を使って何らかの行政手続きを行おうとすると、内規で定められているかは知りませんがとにかく通常は「理解不能」な記号であり、受け取りを拒否される可能性が大です。ただ、完全に日本語のみが行政手続き上の言語とは言い切れず、例えばアルファベットや英語は一部の手続きにおいても通用すると考えてもよいかと思います。例えば入国管理関係や、商標・パテントの対象物(通常人・法人)などは日本語以外の言語も実質的に通用しています。

しかしながら、契約等において日本語での表記を要求する企業や団体は多く、また一時期でほどではないものの特に韓国語や中国語の「日本語読み」を要求することがまかり通っている場合もあります。数年前、東京三菱銀行(当時はたぶん)の国分寺支店で留学生の口座開設の手続きを手伝った際に、担当者が「日本語読み」または「漢字」で口座開設を迫ってきたことがあります。当時としてもNHKが「日本語読み」をやめてから数年が経っており、何とも時代錯誤な感覚で開いた口がふさがらなかったのは言うまでもありません。また外国人登録証上の表記でも口座の開設が出来ることは既に分かっており、それらの点を指摘しても担当者は手続きを改めようとせず、頑張ってねという意味も込めて手伝いをやめてただ見てました。約数名は「日本語の漢字」を知らず、こちらも名前を勝手に日本語表記に書き換えるために「日本語の漢字」を教える気もしなかったのでただ黙殺。結果、名前が手書きの通帳となりさらに面倒くさいことになりましたが、してやったりというところでした。本来であればこの様な取り扱いの不当さは既に議論され尽くしており、きちんとクレームを入れて是正させるべきですが、その後の生活に忙殺され時期を逃したというところ。

名前はその個人そのものを表すことから、アイデンティティの重要な一部を担うものであります。その点に鑑みれば、日本語で補足的に表記するのであればいざ知らず、それが本人そのものの名前として表示されることは、本人に選択の余地が残されていない場合、否定されて然るべき事柄です。というわけで過去の自分の不作為による贖罪を償うため、ちょこっと最近気になったtaspoについて若干質問を送付。taspoはたばこの購入者が成年者かどうかを識別するカードですが、公益性を有する団体たる社団法人日本たばこ協会により運用されています。同カードの申し込みに必要な本人確認の書類やその名前に関する制限が通常の企業との契約に比べても多く、主に現住所を日本国内に持たない外国籍のみを有する者、および平仮名および片仮名が含まれた名前を有しかつ列記された身分証明書を有していない日本国籍を有する者を実質的に手続きから排除しており、手続き上の制約が課されております。個人的な意見としては不当な差別だと思うけど、本人確認における証明書類の公的性格の比重をちょっと見誤ってるだけかもしれない。公的な団体が行っている事にしてはそのあたりの確認が疎かになっているかと思います。まぁこの話はおもしろくなりそうであればもう少し続きを考えます。

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