2007年10月8日月曜日

クリントンが街にやってくる

人間椅子というバンドに「猟奇が町にやってくる」という曲がありますが、この日はあいにく猟奇ではなく、ビル・クリントンです。クリントンといえば、アメリカの大統領を経験した後に自らを「ヒラリー(大統領候補)の夫」と位置づけて話題になってから久しくたちます。民主党の大統領候補指名争いがどうとかいう話もありますが、まぁそれはひとまずおいておきましょう。

 

今日は、学校関係の手続きでちょこちょこ聞きたいことがあったので、ヨテボリの町のオフィスに向かいました。いつものように新聞を手に取り、色々記事を読んでいると見慣れた顔に行き当たりました。「ビル・クリントン」来たる、です。赤ででかでかと書かれた300クローナ(約5400円)の文字。つたないスウェーデン語の読解能力ですが本屋の広告で、サイン会が開かれるということが読み取れます。

 

ヨテボリの役所に寄った後に、会場と書かれている本屋に行ってみました。ふむふむ並ぶ人あり仮設テントありで、イベントの香りが漂っています。この時点では、どうしようか考え中でした。というのも彼がアメリカで支持を得ていたことは事実ですが、同時に利益代表的な動きが激しかった印象も個人的には持っています。また、ヒラリー夫人が民主党の大統領候補指名争い中にもかかわらず、彼女の製作にコミットできるかは不明。まぁ彼がアジアの市場開放の流れを作ったという実績から見ると、優秀なセールスマンであったということにしておきましょう。少なくともクリントンに対する数々の批判、たとえばセックススキャンダルや福祉の削減、強引な市場開放等々ありますが、アメリカ的だなと妙に納得する場面もあります。
セックススキャンダルでクリントンが白旗を揚げたとき、政治生命が終わるのかなと思いきや、必ずしもそこまで致命的にはなりませんでした。謝罪を寛容に受け止める態度は、徹底的に叩き斬る日本とは異なるのかもしれません。また、共和党・民主党歴代の政権の矛盾というかパラドックスも彼の政策と不可分といえるかもしれません。それは、「小さな政府」を標榜する共和党が税金を浪費して財政赤字を増やし、「福祉国家」を目指す民主党が行政サービスを切り捨て赤字を削減する関係。ブッシュ・ジュニアの代になっても相変わらずで、クリントンほど領地拡大が出来ていない様子。まぁその意味では優秀優秀。それはさておき、話を戻しましょう。

 

彼女の本屋に寄って話を聞いてみると、サイン会の代金には本がどうも含まれているとのこと。それならハードカバーの本としてもそれほど高くない反面で、講演会ではないとで特におもしろい話が聞けるわけでもなしと迷います。まぁとにかく、次に見る機会はあるのかどうか分からないし、と一路会場に向かいました。およそ2時間前から30人ほど待っている列に並び始めましたが、ものの30分で300人くらい後ろに並んでいます。たまに本を買うときにレジにいるおばちゃんが、今日はマイクを持ってはりきっていました。「サイン会はこちらです、300クローナです、撮影禁止です、ボールペンや携帯は持ち込み禁止です (中略)」


結局クリントン氏は予定より30分ほど遅れて到着、サイン会の開始です。本屋は元々広くなくかなり入場者を絞っている様子。一番乗りの男性が高々と本を手に見せびらかしていました。本屋に入ると、氏はSPに囲まれてながらいました、いました。よく見る顔です。入場する前には握手が出来ないとおばちゃんが言ってましたが、とりあえず氏は構わずやっている様子。程なくして自分の番が来て、本にサインをもらいながら握手して、二言三言挨拶を交わして終了。その間にもローカルテレビのカメラが回り、カメラのフラッシュがたかれます。少しどきどきしながら、スウェーデン語訳の彼の著書を手に、本屋を後にしました。これから肝心の原作を買わねばね。

Posted by Picasa


[ 更新日時:2007/10/09 19:49 ]

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